仮想通貨に潜む危険とは?そのリスクの回避方法と対策

皆さんは仮想通貨に投資した経験、また投資しようと思った経験は有りますか?昨今仮想通貨にまつわる様々なニュースが流れますが、特に多いのは詐欺やハッキングといったマイナスなイメージの事柄であるように思います。

もちろん技術的な側面から見るとポジティブな要素は有りますが、投資的観点から見ると怪しい点も否定できません

本記事では、そんな仮想通貨にまつわる危険因子についてご紹介します。

Coincheck

仮想通貨の投資は危険

仮想通貨

仮想通貨投資を行う際は、常に大きな価格変動があることを頭に入れておく必要が有ります。日本でもニュースや様々なネット記事がこの点について指摘していますが改めて仮想通貨の価格変動とその対策についてまとめてみます。

値段の暴落

仮想通貨の価格変動率は他の金融投資と比較しても非常に高い水準を保っています。

2019年3月時点での直近12週間の価格変動率は約3%前後で、同日時点での1週間の平均為替変動率は1~2%程度です。一方仮想通貨の中でも比較的値動きが少ないビットコインの値動きを見ると、直近12週間で15%の価格変動が起こっています。

このように、他の金融投資と比較しても仮想通貨の方が平均的高い変動水準を保っていることが分かるかと思います。

また、ビットコインは2017年に大きな盛り上がりを見せ、1,000ドルから20,000USD近くまで価格を上昇させました。しかし、2018年には多くの仮想通貨が大きな価格下落を引き起こし、ビットコインは1年間の間に600%以上の価格下落を記録し、2019年3月19日現在の価格は4,034ドルとなっています。

これらのことから、仮想通貨への投資は平均的な金融投資と比較して大きな価格変動がある分、値段の暴落といったリスクが高い確率で存在することが言えるでしょう。

ではなぜ仮想通貨の価格変動率が高いのでしょうか。それは、仮想通貨自体の技術的期待感と共に、セキュリティーや法整備、詐欺との相性などが引き合いになっているからです。次の章からそれらの危険性と対策についてそれぞれご紹介します。

仮想通貨の管理に潜む危険

まず第一に挙げられるのは、管理体制における危険です。仮想通貨を保管する際には仮想通貨に対応するウォレットを用意する必要がありますが、その管理方法によっては大きな損失を抱えてしまう可能性があります。

管理の危険

仮想通貨を管理する際は自分専用のウォレットで保管していることになりますが、保管方法は、オンライン上でアクセスすることができるホットウォレットと、オンライン上でアクセスすることができないコールドウォレットの2つに大別することができます。

ホットウォレットはパソコンやスマートフォンでアクセスできるウォレットで、オンライン上でアクセスすることが出来きるため利便性は高いのですが、ハッキングリスクが少なからず存在します。

一方でコールドウォレットの場合は、物理的にネットでアクセスすることが出来ない、ハードウェア型や紙で作られたペーパーウォレットなどが存在します。ハッキングリスクは0に近くなりますが、ウォレットを紛失したり、ウォレットが故障してしまった場合に取り出す方法が無くなってしまいます。

取引所ハッキング・破綻

ハッキング

仮想通貨の取引所は世界中に何百と存在しますが、ハッキング事件を引き起こしていない取引所の方が少ないのではないかと思うぐらい取引所には攻撃が仕掛けられています。

日本でもMtGOXやCoincheck、Zaifといった取引所がハッキングされて巨額のお金を盗まれたことを認めていますし、海外の大手取引所でも莫大な金額が盗難されています。

また、計画的な破綻により預けていた仮想通貨が取引所によって全て盗まれてしまったというニュースもあります。

日本の取引所であればまだしも、海外の取引所に口座を作り破綻してしまうと資金を回収する望みはかなり薄くなります。

送金ミス

仮想通貨を失うミスが多いのは送金時です。仮想通貨を保管する財布は仮想通貨ごとに設定されているアドレスと紐づいており、アドレスは数十桁の英数字の羅列から構成されています。

このアドレスを1文字でも間違えたり、別の仮想通貨専用のアドレスに送金してしまった場合取り戻すことが極めて難しくなります。

このことから、通常の決済・送金といった作業と比較してミスが発生しやすい構造であることは否定できません。

管理の危険に対する対策

仮想通貨を管理する対策として、万が一紛失や機械の故障が起こっても復元させることができる復元パスワードの控えを取っておくこと、2段階認証を利用してセキュリティーを高めておくことの2点が重要です。

ウォレットにはそれぞれ難解な復元パスワードが設定されており、それを控えておくことで万が一の際に対処することができます。また、通常のログイン設定をより強化するために2段階認証というログイン時に自動生成されたパスワードを入力する認証設定を予め行なっておくことで強固なセキュリティーを確保することが可能になります。

取引所のハッキングリスクを抑えるためには、高額な金額を取引所のウォレットに預けず、取引に必要な際のみで利用できるようにするとリスクを抑えることが出来ます。

仮想通貨の送金ミスについては、送金先のウォレットアドレスを手打ちするのではなく、コピー&ペーストを使用したり、QRコードでの送金機能があればそれを利用することです。また、送金先のウォレットが送金に対応した物であるかは事前に必ず確認しましょう。例えばビットコインを送金したいのに、受け取り先の口座がビットコインキャッシュのものだと、着金せずに取り戻すことも出来なくなってしまいます。

仮想通貨の法律による危険

法律

仮想通貨は新しい技術であることから、法整備が追いついておらず、十分なサポート体制や税制が整っていない現状があります。

仮想通貨の規制

例えば、日本で購入できる仮想通貨はビットコインやイーサリアムといった知名度が高く、金融庁に届け出を行い認められたものしか無く、その数も限られています。そのため、海外の仮想通貨を取引した場合に必ずしも日本の法律で保護してもらえるという保証が無く不安要素が残ります。

税金

仮想通貨の取引に関わる税金も高額で問題になっています。現状、仮想通貨の購入時から起算して取引及び売却時の価格の差額で利益が発生した場合に税金の支払い義務が発生します。

基本的にはこの利益は所得税のなかの雑所得という分類に区分けされており、別の給料と所得を合算してしまうことになります。FXであれば、申告すれば収入が分離課税対象として扱われ、一律20.315%に止まります。

これは、例えばビットコインを10万円で購入し、15万円に値があがった際にイーサリアムと交換しただけで5万円の所得があったと見なされます。

法律の危険に対する対策

仮想通貨に関わる法律は日を追う毎に変化しています。そのため、現状どのような法律が仮想通貨に適応されるのか理解しておく必要があります。

また税制に関しては、むやみに取引を行うのでは無く、取引において自分がいくら所得を払う必要があるかを考えた上で取引を行う注意が必要です。

仮想通貨の詐欺による危険

詐欺師

仮想通貨は過去に何百倍にも値段が上がった事実と、その不透明さから詐欺との相性が非常に良いです。そのため、多くの詐欺師が仮想通貨を絡めた詐欺を行なっています。

投資詐欺

仮想通貨に関わる詐欺の多くがこの投資詐欺になります。技術や具体的な利用用途について不透明な部分があるにも関わらず、有名人を起用したイベントや豪華なWebサイトなど、見た目のみに重点を当てて、儲かるかもと錯覚させてきます。

多くの人が実際に投資詐欺にあっているので、気をつける必要があります。

闇サイト

仮想通貨の中には匿名性の高いものが有り、それらは個人情報保護の観点から機能に組み込まれているのですが、闇サイトで違法ドラッグや危険な物の購入にしようされることが有ります。

一般人が普通にPCを利用しているだけではそのようなサイトに飛ぶことは有りませんが、闇サイトを運営している人は怪しい人が多く、個人情報を抜かれたり、商品を正常に届けなかったりする可能性が有ります。

詐欺の危険に対する対策

詐欺を回避するには、金融庁に登録されている仮想通貨取引所で購入する、透明性のないサイトにアクセスしない等の点に気をつける必要が有ります。

仮想通貨に関する技術的な話は一般の人が理解するには難しかったり、調べるために多くの時間を掛けたりする必要があります。そのため、短期間で10倍!政府が関わっている!知っている有名人が宣伝している!という事実無根の話でも分かりやすい情報で安心して投資してしまうケースが多々あるようです。

これらを回避するために、日本の金融庁に登録されている取引所、国内で販売を許可されている通貨のみを購入することを推奨します。

仮想通貨のこれまであった危険な事件

最後に実際にあった仮想通貨の事件についていくつか例をご紹介します。

MT GOX事件

MT.GOX

2010年当時世界の70%のビットコイン取引高を誇っていたMT GOX仮想通貨取引所は2011年6月19日にハッキングされ当時の価格で10億円相当のビットコインが不正に購入された。

この事件はMT GOXの監査役のパソコンに不正にハッキングし、そこからビットコインの価格を不正に吊り下げ、僅か1BTCを1円で大量に購入した事件である。

その後MT GOXは2014年にサイトごと閉鎖されました。

Coincheckハッキング事件

Coincheck

2018年1月26日に日本の大手仮想通貨取引所Coincheckで当時580億円相当のNEMという仮想通貨が盗難された事件が起きました。

ハッキングが発生した原因は、取引所が保管している仮想通貨ウォレットのセキュリティーが甘かったことです。

通常であれば、コールドウォレットというインターネットに繋がれていないオフラインのウォレットに保管したり、複数人で出金のための鍵を管理するマルチシグという方法を採用していませんでした。

当時被害にあった方には補填として相当の日本円を口座に振り込む対応が取られました。

SENER事件

SENER

SENER事件は架空の投資ファームを装い、ビットコインで83億円相当をだまし取ったマルチ商法の投資詐欺です。

月利3~20%で配当を出すことうたって投資者を募っていたようですが、2018年の6月頃から配当が停止されており、8名が逮捕された。

クローバーコイン事件

CLOVER COIN

クローバーコインは、当時購入額の20%をリップルで補填することを運営が発表していましたが、リップルの価格が高騰した際に交換を希望すると運営が対処せず、リップルとクローバーコインに関連性はないと吐き捨てられた事件です。

まとめ

今回の記事をまとめると

・仮想通貨を管理するウォレットの復元パスワードは必ず控えておく
・2段階認証を設定する
・取引所を信用しすぎない
・取引だけでも税金の支払いが必要になる可能性がある
・法律をチェックする
・仮想通貨は金融庁登録を受けている取引所のみで購入する
・見た目だけ豪華なプロジェクトに投資しない

仮想通貨によるトラブルの相談件数は年々増加していますが、それと同時に世界での法規制もだんだんと正常化しており、怪しいプロジェクトが堂々と悪さを出来ない状況になりつつあります。

とはいえ悪いことを考える人はいつの時代にもいますし、まずは自分の目で怪しいか怪しくないかを見極められるようにな流必要があります。

技術的にみれば仮想通貨にはユニークな点もあり、それは着々と日の目を浴びようとしています。安易な投資欲に走るのではなく、まずそういった点への知識を深めながら投資の判断を行なってみてはいかがでしょうか。