「ビットコインSVとビットコインキャッシュ、ビットコインABCとの違いは何?」
「ビットコインSVの特徴や概要を知りたい」
ビットコインSVはビットコインキャッシュ(BCH)の機能をより良くするためにビットコインキャッシュ(BCH)からハードフォークした仮想通貨で、2019年6月8日時点で時価総額ランキングは8位になっています。
そのため、ビットコインSVを知って投資しようか悩まれている方もいると思います。
しかし、ビットコインSVの概要や特徴、今後について知らないまま投資をしてしまうのは不安ですよね。
そこで、本記事では初心者の方向けにビットコインSVの概要や特徴、今後について徹底解説していきます。
ビットコインSVの概要
通貨名 | Bitcoin SV |
---|---|
通貨単位 | BSV |
公開日 | 2018年11月16日 |
開発者 | Craig Wright(クレイグ・ライト) |
発行上限 | 21,000,000 BSV |
アルゴリズム | Proof of Work(PoW) |
公式サイト | https://bitcoinsv.io/ |
仮想通貨ビットコインSV(BSV)とは、ビットコインキャッシュ(BCH)がハードフォークして誕生した仮想通貨です。
ビットコインSV(BSV)はビットコインキャッシュ(BCH)をより高いセキュリティでシンプルに扱えるようにしたいという構想からCraig Wright(クレイグ・ライト)氏を中心とする開発チームによって開発が進められ、2018年11月16日にビットコインキャッシュ(BCH)からハードフォークしています。
クレイグ・ライト氏は自称で「自分がサトシ・ナカモト(ビットコインの生みの親)」であると話している人物です。ちなみに、未だサトシ・ナカモトが誰なのかは明らかになっておりません。
元々は、ビットコインキャッシュ(BCH)はビットコイン(BTC)からハードフォークして誕生した通貨であり、ビットコインの決済処理を改善することを目指して誕生しています。このときにもCraig Wright(クレイグ・ライト)氏が開発に携わっています。
ビットコインSVの誕生(ハードフォーク)の経緯
ビットコインSVの誕生の背景・経緯を紹介します。
- 2017年8月:ビットコインキャッシュがビットコインからハードフォークして誕生。
- 2018年11月:ビットコインSVおよびビットコインABCがビットコインキャッシュからハードフォークして誕生。
ビットコインSVがハードフォークして誕生した理由
ハードフォークの発端は、ビットコインキャッシュが当初から予定していたアップデートだと言われています。
このアップデートでは、ビットコインキャッシュのブロックチェーン上で新たにトークンを発行することができる「WHC(ワームホールプロトコル)」と、ビットコインキャッシュを送金以外でも利用することを想定し、DAppsアプリ内での使用も可能にする「DSV(op_checkdatasigverify)」という2つの機能を実装する案がありました。
しかし、ビットコインキャッシュのコミュニティ内で派閥として存在していたビットコインSVチームは今回のアップデートが「サトシ・ナカモトの掲げるビットコインの理想に反する」と異論を唱えました。
一方で、アップデートを推進するビットコインABCチームには開発を中止する意向はありませんでした。
そのため、今後のプロジェクトの方向性の違いからビットコインキャッシュはビットコインSVとビットコインABCの2つにハードフォークすることになったのです。
ビットコインSVとビットコインABCとのハッシュ戦争
ハッシュ戦争とは、ビットコインキャッシュからビットコインSVとビットコインABCがハードフォークしたときに起きたハッシュパワーによる戦争のことです。
ハッシュ戦争は「ブロックチェーンの処理速度はどちらが優れているのか」を競ったもので、ハッシュ戦争に勝利した通貨がビットコインキャッシュ(BCH)を継承することができるようになっています。
激しい競い合いがありましたが、クレイグ・ライト氏がハッシュ戦争の終わりを宣言をしたことで、この競争は幕を閉じました。
結果としては、ビットコインキャッシュ(BCH)を引き継いだのはビットコインABCで、ビットコインSVは別でプロジェクトを進めることになりました。
ビットコインSVの特徴
ビットコインSVの特徴は以下の通りです。
- リプレイプロテクションによるセキュリティ強化
- ブロックサイズは128MB
- ゼロ承認トランザクション
順に解説していきます。
リプレイプロテクションによるセキュリティ強化
ビットコインSVは、今後のアップデートで「リプレイプロテクション」という技術の実装を予定しています。
ハードフォークが発生した際には、似たような性質を持つブロックチェーンが2つ誕生します。
この際にブロックチェーンAの取引情報を丸ごとコピーして、もう一方のブロックチェーンBに書き込むことで送金者が意図していない送金が行われることがあります。
このことをリプレイアタックといい、取引情報をはっきりと区別することができるようにする技術のことを「リプレイプロテクション」といいます。
リプレイプロテクションを実装すれば、不正送金の発生を未然に防ぐことができるため、セキュリティ対策になります。
ブロックサイズは128MB
ビットコインSVのブロックサイズは128MBです。ビットコインのブロックサイズが1MBですので、非常に大きなブロックサイズになっていることがわかります。
ビットコインには、取引量が多くなると1つのブロックを生成する処理速度とブロック容量の上限によるスケーラビリティ問題がありました。
しかし、ビットコインSVではブロック容量を128MBにまで引き上げることにより、ビットコインよりもスムーズな取引を実現しています。
ゼロ承認トランザクション
ゼロ承認トランザクションとは、取引情報(トランザクション)の処理が始まる前に、正規の取引情報として送金を完了させる技術のことを指します。
通常は、取引情報がブロックチェーン上に記載されてからブロックの承認作業・生成が行われますが、この技術を実装することで、記載を後回しにして取引を承認することができるため、よりスムーズな送金処理ができるようになります。
ビットコインABCとは
ビットコインABCとは元のビットコインキャッシュのブロックチェーンのことを指します。
ビットコインキャッシュ(BCH)がハードフォークした際には「ビットコインSV」と「ビットコインABC」という2種類の通貨が誕生しています。
ハッシュ戦争によって元のビットコインキャッシュのチェーンを引き継いだのはビットコインABCであったため、ビットコインABCがビットコインキャッシュ(BCH)の通貨単位(ティッカーマーク)や名称を引き継いでいます。
ビットコイン、ビットコインキャッシュ、ビットコインSV、ビットコインabcの違い
ブロックサイズ | |
ビットコイン | 1MB |
ビットコインABC(元BCH) | 32MB |
ビットコインSV | 128MB |
ビットコイン、ビットコインSV、ビットコインabc(ビットコインキャッシュ)の大きな違いはブロックサイズです。
前提として、ビットコインSVもビットコインABCもビットコインの課題を改善する形で開発が進められています。
ビットコインSVはビットコインキャッシュのブロックサイズを32MBから128MBに大きくすることでより迅速な送金処理の実現を目指しています。
一方で、ビットコインABCはスマートコントラクト機能やトークンの発行などの実装を取り入れることを目指して開発が進められています。
ビットコインSVの今後
2019年6月8日時点でビットコインSVは時価総額ランキング8位になっており、ビットコインABCよりも少し順位を落としています。
ビットコインSV上場廃止相次ぐ 3企業が対応方針を示唆|仮想通貨市場への影響も懸念
バイナンスのビットコインSV(BSV)上場廃止発表後、複数企業が廃止運動に参加する動きが確認。上場廃止の流れが相次ぐことでの混乱やクレイグ氏などとの対立懸念が出てきている。
— マクゴナガル@仮想通貨 (@tracywest1978) 2019年6月6日
2019年になってからは次々と有名取引所がビットコインSVの上場廃止を発表しています。
例えば、2019年4月15日には仮想通貨取引所大手バイナンスがビットコインSVを率いるクレイグ・ライト氏への嫌悪感から、ビットコインSVの上場を廃止すると発表しています。
この動きを受けて上場を廃止しようという運動が起き、一方のビットコインABCの価格が急騰を起こしています。
ビットコインSVの購買意欲も著名人やコミュニティの活動によってマイナスに働き、価格の上昇に影響を与える可能性がありますので、クレイグ・ライト氏の発言やビットコインSVの情報に注目しておくとよいでしょう。
また、ビットコインSVの今後の具体的な実装は「リプレイプロテクション」に期待ができます。しかし、リプレイプロテクションの実装は2019年第一4半期に実施されるとのことでしたが、2019年6月現在もその動きはありません。
ビットコインSVはどこで買える?
ビットコインSVは国内の取引所では取り扱われていないため、海外の取引所で購入する必要があります。
そのため、ビットコインSVを購入したい方は、世界最大級の取引所BinanceやOKEx、Bittrexなどの人気の取引所の口座を開設しましょう。
まとめ
- ビットコインSVはビットコインキャッシュからハードフォークしたコインである。
- ビットコインSVはビットコインキャッシュのブロックサイズ32MBよりも大きい128MBで実装されているためよりスムーズな送金を実現できる。
- ビットコインABCは元のビットコインキャッシュのチェーンを引き継いでいる。
ビットコインSVの概要や特徴について説明しましたが参考にしていただけましたでしょうか?
ビットコインSVの価格はビットコインABCのニュースやクレイグ・ライト氏の発言などに影響される可能性があるので、今後購入を検討されている方は注目しておきましょう。