仮想通貨といえば、度々ハッキングの問題がニュースになっているのが現状だと思います。
取引所に任せるだけでなく、通貨を安全に管理する方法を知っておくことで、被害を小さくすることができます。
仮想通貨のセキュリティに関する基本的な考え方
仮想通貨のセキュリティの対策を考える前に、仮想通貨のセキュリティの基本的な考え方について理解しておく必要があります。
株やFXなどとはセキュリティの考え方が少し異なるので、理解しておくことが必要になります。
仮想通貨の保管の方法
仮想通貨は多くの人が取引所を作ってそこに保管すればいいと考えがちですが、仮想通貨に関しては取引所に保管することは必ずしも安全とは言えません。
これまでの大手仮想通貨取引所のハッキング事件を見てみると、その多くが仮想通貨取引所のずさんな管理体制により、被害にあっているということが多いです。
そのため購入した仮想通貨を取引所に置きっ放しにするのではなく、自分が持っているウォレットで管理することが大切です。
なぜこのようなことが起こるかというと仮想通貨取引所が仮想通貨を保管する際に、ホットウォレットと、コールドウォレットという二つのウォレットを使い分けています。
ホットウォレットは通常の私たちが取引所に口座を作った際に利用しているウォレットになります。
コールドウォレットとはインターネットに接続されていない仮想通貨ウォレットのことを言います。
このコールドウォレットで管理することで、ハッキングの被害に遭う確率を大幅に下げることができます。
仮想通貨にはセキュリティが必要
仮想通貨を扱う上でセキュリティは最重要といっても過言ではありません。
そもそも仮想通貨がなぜこれほどまでにハッキングなどの対象になっているかというと、いくつか理由があるのですが、一つに法整備が整っていないということがあります。
そのため取引所などはセキュリティについて基準が定められていないため、取引所によってセキュリティにかなり差があります。
また仮想通貨は現在はお金と同様の価値を持っているものなので、当然お金と同様のきちんとした管理が必要になることは言うまでもありません。
仮想通貨の狙われ方
仮想通貨の狙われ方には大きく分けて2種類あり、取引所が狙われるパターンと個人のウォレットが狙われるパターンがあります。
取引所が狙われるパターンは取引所がホットウォレットで仮想通貨を管理している場合に、それを狙ってくることが多いです。
個人のウォレットの場合、IDやパスワードが何らかによって流失したり、不正に入手されてしまうことによって仮想通貨が盗み出されてしまいます。
取引所に関しては個人でできることはないので、信頼できる取引所を使うしかないですが、個人のウォレットはIDやパスワードをきちんと管理することで防ぐことができます
仮想通貨のセキュリティ対策7つ
では実際に仮想通貨を守るためのセキュリティ対策について紹介していきたいと思います。
ほとんどのハッキングなどの被害は、セキュリティにしっかりと気をつけて管理していれば防ぐことができるものが多いです。
二段階認証
取引所に仮想通貨を預ける上で、不正アクセスのリスクが必ずあることを前提に考えなくてはいけません。
もし不正アクセスされてしまった場合に2段階認証をしておくことで、資産を引き出されてしまう確率がかなり下がります。
ほとんどの仮想通貨取引所で2段階認証を設定することができますが、稀に2段階認証を設定できない取引所があるので、そう言った取引所は利用しないようにしましょう。
2段階認証を設定するポイントとして、メールアドレスでのログインに2段階認証をかけるだけでなく、facebookなどのログインにも2段階認証をかけるようにしましょう。
2段階認証を設定する際にはGoogle Authenticatorがオススメです。こちらはグーグルの公式アプリなので、信頼性が高いです。
特にこだわりがなければこちらのアプリを利用することをお勧めします。
ハードウェアウォレットで管理
仮想通貨を購入した際などに、取引所でそのまま管理するのではなく、ハードウォレットに移して管理するというのはとても有効です。
ハードウォレットとはネットワークに接続されていない、端末型の仮想通貨ウォレットになります。
ハードウォレットにはいくつかの種類があり、保管できる通貨の種類などが異なるので、自分が持っている通貨に合わせて購入しましょう。
ハードウォレットを購入する際の注意なのですが、フリマアプリなどではなく必ず公式から購入しましょう。
フィッシング詐欺目的でハードウェアウォレットを売っている可能性があるので、十分気をつけてください。
ハードウェアウォレットのおすすめについてはこちら「ハードウェアウォレットおすすめは?その仕組みとメリットデメリットを紹介」でまとめていますので参考にどうぞ。
実態の明らかでない通貨は購入しない
過疎通貨はバブル期以来かなりの数が存在しており、実態のない詐欺のような仮想通貨もたくさんあるのが現状です。
ICOなどで安易に実態のない通貨を購入するのはセキュリティの観点からも大変危険なので気をつけましょう。
必ず儲かる、ICO割れしない、何倍になるというようなよくある謳い文句には気をつけましょう!
詐欺コインについては「絶対に手を出してはいけない詐欺ICO案件・事例まとめ【2019年最新】」でまとめていますので、参考にどうぞ。
パスワードの使い回しはしない
仮想通貨の特性上、取引所によって取り扱っている通貨が異なるため、多くの取引所に講座を開設することが多いと思います。
その際に同じパスワードとメールアドレスなどを使い回すのは絶対にやめましょう。
一つの取引所で不正アクセスが起きた際に、全ての取引所の通貨が引き出されてしまうことになります。
必ずそれぞれの取引所で異なるメールアドレスとパスワードを使用するようにしましょう!
複数の取引所に分散して保管する
仮想通貨はハッキング被害などが過去に多く発生しており、大金が不正送金されています。
仮想通貨は大事な資産ですので、一回のハッキング被害で全ての資産を失いかねません。
これもかなり重要なことですが、仮想通貨を管理するときは同じ通貨であっても、なるべく複数の取引所に分けて管理するようにしましょう。
こうすることで、ハッキング被害に遭ってしまった場合などでも、全ての資産を失わなくてすみます。
メールアドレスの管理に注意する
仮想通貨取引所で使用するメールアドレスは、他のサイトなどでは使わない専用のものを使うようにしましょう。
他のサイトでも利用しているメールアドレスは情報が漏れてしまう確率が高くなってしまいますが、専用のものであれば、流失の確率を大幅に下げることができます。
gmailを利用してメールアドレスを複数取得する方法などが手軽にできて使いやすい方法だと思います。
フィッシング詐欺に気をつける
最近増えているのが、フィッシング詐欺と呼ばれるインターネット上でメールアドレスやパスワードを盗み出そうとする行為のことです。
フィッシング詐欺は年々手口が巧妙になっており、気をつけていないと簡単に騙されてしまうことが多いです。
例えば仮想通貨取引所を装ったメールが届いて、リンクをクリックすると、あたかもその取引所のログイン画面とそっくりなものが現れログイン情報を盗み出すものもあります。
フィッシング詐欺に合わないようにするためには、必ず取引所にアクセスするときは、ブックマークからアクセスするようにすることです。
そうすることでフィッシング詐欺に遭う可能性をほぼゼロにすることができます。
仮想通貨ウォレットでセキュリティを高める
仮想通貨を管理する際は、取引所での管理ではなく仮想通貨ウォレットを使うことで、セキュリティを高めることができます。
仮想通貨ウォレットにはいくつか種類があるので紹介していきたいと思います。
オンラインウォレット
オンラインウォレットとはweb上に保管できる仮想通貨ウォレットのことを指します。
オンラインウォレットは取引所とは分離しているので、もしも仮想通貨取引所が破綻した場合でもオンラインウォレットに預けていることで資金を守ることができます。
オンラインウォレットはどれもメールアドレスとパスワードを設定するだけで作成することができるので、簡単いつくることができます。
ソフトウェア(モバイルアプリ)ウォレット
ソフトウェアウォレットとはデスクトップにウォレットをダウンロードして管理するウォレットになります。
ソフトウェアウォレットはインターネットに繋がっていないため、ハッキングなどの被害に遭う確率を大きく下げることができます。
ただしソフトウェアウォレットは通貨によって対応している通貨と対応していない通貨があるので、必ずしも使えるというわけではないので注意してください。
ハードウェアウォレット
ウォレットの中で最もセキュリティが強固なのは、このハードウェアウォレットになります。
ハードウェアウォレットとはUSBのような端末で日につ鍵を管理することで、仮想通貨を保管できるウォレットになります。
仮想通貨を長期で保有することを考えている方は、必ず使ったほうが良いウォレットになります。
ハードウォレットはもし無くしたり、破損したりしても仮想通貨を取り出すことができるようになっているので安心です。
唯一のデメリットとしては、対応している仮想通貨が限られており、メジャーなものしか対応していないということです。
分散型仮想取引所のセキュリティ
分散型取引所とは中央管理者がいない仮想通貨取引所ですが、その分散型取引所のセキュリティにはメリット、デメリットがあります。
分散型取引所は通常の取引所とは異なり、ウォレットやその管理者が分散しているためハッキングにはあいにくいと言われています。
ですが絶対に安心ということはなく、2018年にバンコールという分散型取引所でハッキング事件が起き、1200万ドルが流失しました。
この際はバンコール側が盗まれた仮想通貨を補填する形になりましたが、本来、分散型取引所には運営がいません。
そのため多くの分散型取引所ではハッキング被害があったとしても、通貨が補填される確率は低いことを頭に入れておきましょう。
その上でしっかりと自分自身で通貨を守ることが重要になってきます。
しっかりとどのような対策が取れるのか理解していることが大切なので、紹介していきたいと思います。
分散型取引所の概要
分散型取引所は通常の取引所とは異なり、中央管理者が存在しない有志により作られた仮想通貨取引所になります。
分散型取引所は特徴として、個人で資産を管理することになるので、シークレットキーなどを適切に管理することが必要です。
つまり自分で取引所とは分離してウォレットを管理できるということになります。
そのため通常の取引所とは引き離されている取引所であるため、ハッキングのリスクが低いと考えられています。
メリット
・シークレットキーを自分で管理するためハッキングにあいにくい
・手数料などが通常の取引所よりも安い
・取引所の情報が公開されているため、透明性が高い
デメリット
・ほとんど実態のないような通貨も扱っている
・秘密鍵を紛失した場合、通貨が引き出せなくなる
まとめ
・仮想通貨を取引所で管理しておくのは安全ではない
・2段階認証やハードウェアウォレットで管理するなど、対策はたくさんある
・仮想通貨ウォレットにはオンライン、ソフトウェアなど様々な種類がある
・分散型取引所はセキュリティに優れているが安心ではない
・分散型取引所では自分でウォレットを管理できる
仮想通貨を扱うことにおいて、セキュリティは最も重要なポイントになります。多くの人が取引所に預けっぱなしではないかと思いますが、それは大変危険です。
自分で仮想通貨ウォレットをきちんと管理することで、損失を避けることができるので、しっかりと理解しておきましょう。