ネム(NEM)のカタパルトはいつ実装?その詳細と2019年からの予定

ビットコインやイーサリアムなど流通する種類も増え、何かと話題を集めている仮想通貨ですが、ネムという仮想通貨を購入されたことはあるでしょうか。ネムは2019年をめどに予定されているカタパルトという大型アップデートにより、さらに利便性が向上すると推定されています。この記事では、2019年に実施が予定されているネムのカタパルトについて、詳細や予定をご説明します。

Coincheck

ネムってなに?概要を説明

NEM

NEMとは、New Economy Movement(日本語訳すると新しい経済の動き)の略語で、法定通貨のように、国や政府、国家銀行などの特定の機関に縛られず、新しい経済活動を展開することを目的としたプロジェクトの名称です。

ビットコインをはじめとする仮想通貨が誕生したあとの2015年に、仮想通貨の使い勝手をより向上し、課題を解決していこうという趣旨で、Utopianfutureというチームがたちあげたプロジェクトとなります。このプロジェクトメンバーには、日本人も含まれていたので、NEMは日本でも何かと話題になりました。

仮想通貨XEMとは?

XEMの発行総量は決まっている

NEMで使われる仮装通貨をXEMといいます。

ビットコインなどの他の仮想通貨との違いとして、マイニングのようにより発掘によって通貨量を増やしたりする作業や承認作業がありません。

総発行量がはじめから定まっていて、8,999,999,999XEMとなっています。これが、1,600人のXEMへの投資家に対して均等に分けられています。

発行量が増えないので、仮想通貨の取引承認についての報酬は、新たなXEMではなく、取引手数料が支払われます。

コインチェック事件

新時代の仮想通貨として一躍注目を集めたXEMですが、ローンチ後ずっと順風満帆というわけではありませんでした。2018年1月におきたコインチェック事件は、仮想通貨への信頼を揺るがしてしまうインシデントでした。

XEM自体に非はないものの、仮想通貨取引所の管理体制の問題で、ネットワークがハッカーによりハッキングされ、約580億円相当ものXEMが流出してしまいました。

仮想通貨の歴史でも最悪の被害であり、悪い意味での注目を集めてしまいました。
法定通貨であっても盗難や銀行などの物理的な窃盗の可能性はありますが、現実世界だと犯人が露見する確率も高いですし、犯行に際しては武器や見張り役の用意などそれなりの資金レベルが必要です。

しかし、インターネット上の記号である仮想通貨は、技術をもったハッカーであれば匿名性が高いままで詐欺ができてしまうのです。

新時代の通貨というべき仮想通貨にとっては、永遠の課題であり、ネット技術の進展とともにある程度いたちごっことはなってしまうでしょう。

カタパルトとは?その概要

カタパルト

射出機という名の大型アップデート

コインチェック事件で風評がさがってしまったXEMですが、実は非常に機能面では優れているという評判です。インターネットの性質上、ハッキングの可能性は否定はできないですが、ビットコインなど他の仮想通貨と比べても安全性は高めであるといわれています。

XEMは、今後もアップデートにより、より一層使い勝手が向上することが期待されています。XEMについて予定されているアップデートで、注目されているものにカタパルトというものがあります。

カタパルトの正式名称はもともと「2.0 Catapult」といい、テックビューロ社のブロックチェーン「mijin(ミジン)」の新しいバージョンです。

カタパルトとは、射出機という意味で、航空母艦であるマザーシップから航空機を噴出・射出するための装置のことをいいます。XEMを大幅にアップデートすることによって、より勢いを増すようにするという願いがこめられているアップデート名でしょう。

カタパルトの効果

XEMにカタパルトが実装されると、具体的にはどのような変化があるのでしょうか。

処理スピードがあがる

カタパルトの実装によって最も期待されている変化は、処理速度が大幅にアップさえるという点です。カタパルトが実装されると、XEMの1秒当たりのトランザクションの処理スピードは、4,000件/秒となります。

これまでのXEMの処理速度は2件/秒だったので、なんと2000倍の処理速度となります。あまりぴんとこないかもしれませんが、アップデート後の処理スピードは競合仮想通貨と比較しても、圧倒的な速さとなります。

有名なビットコインは 1秒に7件、イーサリアムは1秒に15件の処理速度となりますので、いかにXEMのスピードが速いかがイメージいただけると思います。XEM以外で速度に定評があるリップルでさえ、1,000件/秒ですので、カタパルト実装後のXEMのわずか1/4となります。

法定通貨の世界と比べると、このスピードはクレジット会社VISAの処理速度と同程度です。決済がさくさく進むということは、それだけ決済手段として使いやすいということになりますので、仮想通貨の普及に一躍買うことが期待できます。

マルチレベルマルチシグ

ビットコインセキュリティ

速度だけではなく、セキュリティレベルも大きくあがります。コインチェック事件の苦い経験から、セキュリティの重要性は注目されています。

具体的には、マルチレベルマルチシグというスキームが取り入れられ、XEMで決済送金するためには、複数のユーザーが電子署名することが必要になります。仮想通貨のウォレットには秘密鍵があり、マルチレベルマルチシグが導入されると、取引にあたり複数の鍵がないと簡潔しないということになります。

相互監視の力が働くので、1人のユーザーの署名送金のスキームと比べると、ハッキングの可能性は大きくさがります。
この複数の署名=マルチシグを、決済における複数の階層で実行させることをマルチレベルマルチシグといいます。

このユーザー間で相互に監視が働くという自浄システムは、仮想通貨の世界において非常に重要です。法定通貨のように、特定の国や政府、中央銀行などの通貨管理者がいないので、ネットワークのプレイヤーが相互に監視しあうようなスキームにより、仮想通貨取引の安全性が担保されているといえるのです。

アグリゲートトランザクション

XEMの処理スピードの速さは、複数のトランザクションをひとつのまとまりとして一気に処理できるスキームの導入により可能になります。これをアグリゲートトランザクションといいます。

例えば、マルチレベルマルチシグは、複数の階層で複数人の承認がされることで取引がすすみますが、階層ごとの承認が終わり次第即座に次の承認ステージにまわすことができます。これにより、慎重な承認作業とスピーディーな決済という相反する要素が同時に実現できるのです。

カタパルト実装はいつ?

2018年に実装されるといわれていましたが、まだ本番であるα版の実装はされていません。
しかし、つい先日、2019年3月11日に、ついにカタパルトの具体的なローンチプランが2019年3月末までに発表されると発表されましたので、今年は何らかの動きが見られることが期待されます。

カタパルト実装のロードマップ

カタパルトを運営するテストネットは、2019年3月現在Cowへのバージョンアップが完了させているようです。これまで開発されていたSDKをよりアップデートしリリースするため、Python、PHPとUnityを追加するよう、デベロッパーが追加で数名採用されたそうです。

カタパルト実装で価格は上がる?

これだけ利便性が上がり、また発行数量も限定されているので希少価値も高いXEMは、カタパルト実装によって価格があがるのでしょうか。価格が上がる可能性はもちろんありますが、仮想通貨の価格相場は株式相場と同様、プロでも正確な予想は難しいです。

なぜならば、XEMをはじめとした仮想通貨は、仮想通貨を利用したアプリケーションであるdAppの開発状況に依存するからです。XEMを利用したdAppが開発されればされるほど、また使う人が増えれば増えるほど、XEMの価値はあがり価格もあがります。

しかし、XEMにはライバルとなるべき競合仮想通貨であるイーサリアムやEOSなどがあります。競合仮想通貨も、XEMと同様利便性を高めるべく、アップデートを繰り返しているので、カタパルトによってXEMがそれら競合に勝って、dAppに採用されるはいいきれないのです。

NEM購入におすすめの取引所

XEM(NEM)が購入できる取引所には
いくつか選択肢がありますが、以下の3つがおすすめの取引所です。

DMMビットコイン

DMMビットコイン

https://bitcoin.dmm.com/

コインチェック事件があったことからセキュリティ重視で、国内の取引所を使いたいとい
う方には、DMMビットコインがおすすめです。ウェブの表記も日本語ですので翻訳の手間もいりませんし、スマホアプリもありワンクリックで購入できるので、初心者でも手軽に購入することが出来ます。

デメリットとしては、仮想通貨取引所ではなく販売所であるためスプレッド手数料が比較的高めであることです。

バイナンス

BINANCE LOGO

https://www.binance.com/en

XEM以外にも購入したい仮想通貨がある場合は、世界最大のアルトコイン取引所であるバイナンスもおすすめです。海外企業が運営していますが、XEM以外にも120種類以上の仮想通貨が取り扱われていますし、取引手数料やスプレッド手数料も格安です。

デメリットとしては、海外サイトですので、言語の面などでサポートがやや不安なのと、セキュリティ面もやはり国内のもののほうがよいことが推察されます。

ビットレックス

BITTREX

https://international.bittrex.com/

BITTREXも海外の取引所ですが、バイナンスと並び有名です。以前はXEMの取引高が世界一だったらしいので、XEMの取り扱いに慣れています。
デメリットとしては、一度日本円でビットコイン等を買った上で送金する必要があり、日本円で直接購入できないことや、手数料がやや高めであること、バイナンスと同様サポートやセキュリティ面で国内に比べると不安が残る可能性があります。

まとめ

いかがでしたでしょうか。
XEMカタパルトについての要点をまとめると、以下のようになります。

・XEMは、New Economy Movement(日本語訳すると新しい経済の動き)の略語
・XEMは発行量が決まっていて、マイニングがないタイプの仮想通貨
・2019年ごろにカタパルトという大型アップデートが予定されている
・カタパルトが実装されると、処理スピードの向上、マルチレベルマルチシグというセキュリティの強化、アグリゲートトランズアクションという効率化が期待される
・XEM購入のおすすめ取引所は、DMMビットコイン、バイナンス、ビットレックス

カタパルトのリリースにより、XEMを利用したDappがさらに増え、人気や価格などが上がる可能性があります。2019年はXEMから目が離せませんね。